中性脂肪が驚くほど下がりました(医療の力で)


タイトルの通り、紆余曲折を経て中性脂肪を4分の1程度に下げることに成功した。よくネット広告にあるような「中性脂肪を下げる自然食品!」等々を利用したのではなく、医療の力(投薬)に丸投げした結果である。長くなってしまったので、適当に読み飛ばしてください。

健康診断、受けてますか?

フリーランスの俺には関係ないが、基本的に会社員は、年1回、健康診断を受けることになっている。社員の健康を守るのは経営者に課せられた義務であり、労働安全衛生法でも社員に対する健康診断の実施を義務付けている。労働者側にとっても健康診断を受けるのは義務なんだそうだ。

そのことを知ったのは、フリーランスになってずいぶん経ってからだった。取材等でフツーの企業の人事担当者に福利厚生などについて聞いているうちに、「あれ? 世の中には、社員にとって都合のいい制度があるんじゃないか?」と思うようになった。俺も会社員だった時代はあったが、1度も健康診断を受けたことがない。自分の意志で受けなかったのではなく、単にそういう制度があることを知らされない労働環境だったのである。知らず知らずのうちに働く側の義務を放棄していたというわけだ。

そりゃ健康保険や年金も未加入な会社なのに、健康診断が受けられるわけはない。出版広告業界の下請けのブラック構造は深刻である―― と、アレな話は後日するとして、とにかく健康診断である。俺のようなフリーランスの根無し草や、会社化していない自営業者は労働安全衛生法の枠組みからは外れているので、健康診断は自分の意志で受けるしかない。

だが、強制じゃない分、わざわざ病院に足を伸ばすのも面倒だし、費用面も気になるところなので、体のケアを怠っているフリーランスは多いんじゃなかろうか。そういう人たちに対する救済措置(?)のような仕組みが存在する。各自治体で国民健康保険加入者を対象に健康診断度行っており、血液検査や心電図、レントゲン、尿検査等々の最低限の検査が数百円程度の格安料金(もしくは無料)で受けられるのだ。

中性脂肪最大800mg/dl超え。でも10年間ほったらかし。

もともと健康に関してはあんまり興味がなかったのだが、嫁のプレッシャー薦めで、30代だった10年前から何回か、練馬区の健康診断を受けてきた。今は40歳以上という年齢制限が付いたが、俺の住む練馬区では以前、30代も健康診断の対象に含まれていた。ちなみに練馬区の健康診査のHPを見ると、特定の機関に足を伸ばせば、再び30代も受けられるようになっている。まったくいい制度だ。自己負担金は300円。オプションの大腸がん検針やレントゲン入れても+200円くらいだったかな。 ※参照https://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/hoken/kenkoshinsa/kenshin/22tokuteikensin.html

近場の病院で受けられる仕組みになっているので楽と言えば楽。ただ、検査結果を聞きに再来院しなくてはならないのが面倒臭い。そのせいで 3年ほど受けなかったこともあるが、40を超えたこの4年ほどは毎年受けている。

で、自分の数値に関して言えば、初回から芳しくなかった。総コレステロールや尿酸値など複数の値が基準値より若干高かったのだが、何よりも深刻だったのが中性脂肪。650mg/dl前後を推移していて、800mg/dlを超えていた年もあった。基準値は150mg/dl以下だという。通常の4倍。シャアの通常の3倍の速さを軽く超えていた。

中性脂肪は動脈硬化や心筋梗塞等のリスクに。

そもそも中性脂肪はトリグリセリド(トリグリセライドという資料もあり)という脂肪で、体を動かすエネルギー源となるようだ。炭水化物などに含まれる糖質が人体の基本的なエネルギー源となる。だが、過剰に摂取すると消費しきれなくなり、体内に“貯金”するべく、中性脂肪に変化していく。放置するとどんどん蓄積されてしまい、皮下脂肪になって腹や腕や太ももに付着し、人を肥えさせてしまうのである。超大ざっぱだが、理屈はこんな感じだろう。

太るだけならまだいい。怖いのは様々な病気の原因となるということ。血管が詰まるので動脈硬化が発生し、その結果、心筋梗塞・脳梗塞などが引き起こされる可能性は非常に高くなる。あと650mg/dlもあるとそれ自体が病気で、脂質異常症と呼ばれるようだ。かつては高脂血症と呼ばれていたが、確か昨今の健康志向の流れを受けて「高脂血症なんて名前じゃ甘い!」ってことになり、“異常って言葉がくっついたんじゃなかったっけな。

紛れもなく俺は脂質異常症である。昔から医者には「運動しなさい」「お酒の量を減らしなさい」と言われていたが、なかなか実行できなかった。最初の主治医が「若いんだから、まぁ、長い目で見て頑張ろうか」というノリだったこともあり、真に受けてあんまり深刻に考えなかったというのもある。ただ、さすがに2~3年連続で高い数値が続いたときはちょっと考えた方がいいということになり、1か月くらい投薬治療を受けたこともある。が、思うように下がらなかった。薬の名前を失念したが、効果が出ないから途中で違う種類のものに変えた覚えも。結局、面倒くさくなって病院に行かなり、有耶無耶状態を続けてしまった。

専門家のツッコミで治療を決心。

その後、引っ越しをして主治医が変わる。健康診断に行って同様の結果が出るものの、「生活、気を付けてみます^^」とその場で終わって、これまで通り何の対策もせず放置していた。今年の1月に健康診断の結果を聞きに行ったときも、いつも通り中性脂肪は660mg/dl。、まぁ、いいか、と思っていたが、追加で血管年齢と動脈の詰まりを調べる検査をしてくれたことが大きな転機となった。

動脈の詰まりこそ正常範囲という結果が出たものの、血管が非常に硬くなっていたのだ。血管年齢はなんと60台前半。実年齢と20歳以上の差が出た。 中性脂肪の影響による動脈効果が始まっているのは明らか。これが非常に応えた。

加えて、そのちょっと前にも背中を押される出来事があった。某企業の女性MRに取材したのだが、彼女が大学院で中性脂肪を研究していたという話になり、試しに「650mgdl位あるんですよ、俺の中性脂肪」と言う話題を切り出してみた。すると、“目を丸くする”というのはこういうことかというくらい真ん丸な目をしながら「ええええええ、650ぅぅぅ? 大丈夫ですか?(生きてますか?というレベルのニュアンス)」と本気で心配されてしまった。専門的に勉強してきた人がヤバいと感じるような数値なんだなということがなんとなくわかり、頑張らないとダメなんだなだと反省した次第である。

超テキトーな投薬生活なのに?

とりあえず、医師の勧めに従って、投薬治療を受けることになる。処方されたのはトライコアエバテールS900。前者は中性脂肪とコレステロールを下げる薬。肝臓での生合成を抑制するそうな。後者はいわゆる“EPA”の錠剤。青魚に含まれるという成分なので耳にしたことがある人は多いのではないか。血中の脂肪分を低下させ、血管の弾力性を回復するのに有効だとか。

この2つの薬による薬物治療をまず3~4か月行うことになった。前回の投薬は失敗したものの、1か月程度の短い期間だった。ある程度、長期間服用すれば効果が出るのでは、という期待感はあった。食生活の改善や運動なども指導された。面倒だったけど、出来る範囲でやってみっかと考えたところ、尿酸値もやや高かったこともあり、酒量を減らすのが楽かなと思った。そこで、月~土まで1日350mlのビールを2本飲んでいたのを隔日にして、なおかつ1日1本の摂取というルールを課した。

運動に関しては駅まで歩こう等と計画を立て見るも、結果から言うと実行せず。面倒臭いってのもあるが、数値が落ちなかった保険として、「運動しなかったから」を言い訳にするつもりだった。ダメだなぁ、自分。 食事にはあまり気を使わなかったが、間食は控えたつもり。以前はコンビニでビールを買った時にチロルチョコを買って、その場でぱくっと口に入れたりしていたので、そういう余計な買い食いをやめるように意識していく。

すると最初の2か月で体重が約4㎏減る。これは禁酒の影響が大きいだろう。実際、サントリーのオールリーの、ビール風な爽快感がやみつきになって、週5オールフリー、週2ビールというペースになっていた。 ただし、その後はなかなか落ちていかない。酒の量はやや増えたが、それでも1日おきは守っているし、2本飲むのは週末のご褒美。酒のコントロールはうまくいっていると思う。恐らく食事と運動の問題だろう。

例えば、飲酒の際のつまみ。基本的には寝酒なので、飲みだすのは0時前後。ここでポテチだのを食べたら致命的だが、同じく寝酒を飲む嫁に付き合って柿の種とかを食べたりすることも多かった。まぁ、そもそも寝酒は中性脂肪を減らすのにあんまりよくないっちゃよくないんだが…。甘いものもだんだんと食べるようになって、子どもと一緒にケーキとかバクバクお腹に入れたりもしたので、体重落ちないのは自業自得。

ところが、だ。こんなテキトーな生活をしているにもかかわらず、投薬約4か月半後の5月の半ばに、中性脂肪が660mg/dlから168mg/dlに激減していた。薬の力、おそるべし、だ。体が軽くなったとかそういう変化はない。ただ肝臓の力が回復した気はする。実は肝機能の指標であるγ-GTPも今回の検診で下がっていたことが分かった。以前は71あったのだが、平常値の29になっている。昨年末まで、酔っぱらうと記憶をなくしたり、翌朝、体がやけに重くなることがあった。中性脂肪やγ-GTPが直接の原因だったかはわからないが、肝機能が良くない方向にあったのは確かだろう。最近は飲酒時の体調の大きな変化はなくなってきた。多少は肝機能が回復しているのだと思う。

 薬を飲み続けるのか否か。結局は運動がベスト?

投薬治療をする前、「中性脂肪に効く」自然食品系のドリンクなどを飲んだ方がいいのかとあれこれと検索をしたことがある。だが、よく考えるとアレの多くはEPAを使っているはずだ。同じ成分なら医療の名のもとに、強力に抽出した医薬品の方が効果があるに決まっている。コスト的にも診察+処方せんで1500円、薬は1800円くらいなので、ドリンク飲むのと大差ないだろう。変にその辺の健康食品に頼るよりは、医者に行ったほうが確実に数値が下がる。これは間違いない。

※追記 1か月分のコストという意味。診察+薬価で月3200~3500円程度にはなる。

もっとも、手放しに喜べるわけでもない。今後、薬を永遠に飲まなくてはならないのか、という問題がある。薬剤師にそれとなく聞いたところ、トライコアは段階的に減らしてもいいようだが、エバテールは飲み続けるべきだとのこと。医師の判断で変わるんだろうけどね。

薬をやめたとしても、数値が元に戻るリスクがあるし、となると生活習慣を変えるしか選択死なないだろう。食事はもちろん、まずは運動だ。体がため込んだ脂肪によって高脂血症になるのであれば、貯金を燃焼させればいいという単純な話になる。が、運動の習慣がない俺にとっては、そう簡単なことでもない。どう習慣付ければいいのだろうか。

今もRLPコレステロールという心筋梗塞だか動脈硬化だかの危険因子が高く、総コレステロールも下げなくてはならないという診断が下され、トライコアの代わりに別の薬を飲んでいる。しばらくは薬とのお付き合いが続くが、これがあんまり長くなると節約のためにも、運動するしかないのかなぁ。

結論としては

●医薬品を数か月単位で使うと、中性脂肪の値はそれなりに下がる(個人差あり)
●アルコール摂取を少なめにすると、効果が高まる。

ということになるでしょーか。医薬品に頼りっきりになるのを止めたいのならば、「運動をする」 「食事制限を設ける」のがベストと思われる。
さて、これから俺の体はどうなっていくことやら。次回、秋に練馬区の健康診断があるので、次はそのタイミングでご報告することになるか?

“中性脂肪が驚くほど下がりました(医療の力で)” への2件の返信

  1. 節酒が大きかったのでは? ビールを2日がまんすれば、ウェストは3センチ落ちますね。

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